「モデルは演者」
2017年11月18日
 

 

「物語性っていうのには
 ちょっと違和感があったかな。
 私は物語をつくらなくていいところが
 写真のいいところだと思っているから。」
 
映画「ナチュラル・ウーマン 2010」(野村誠一監督)の中で主人公、村田容子が出版社の編集者に話すセリフ。役柄が商品写真を専門とするフォトグラファであるので、こういう応えをしたのだろう。商品写真でなくともポートレートであっても「物語」が必要のないものはある。もしくは、邪魔になるものもあると思う。
 
ボクの作品は「物語」を込めて撮ることが多い(ただし「素(す)」をテーマとするものは別)。ボクがディレクションすることもあれば、大まかなシチュエーションだけ指示して、あとはモデルにお任せすることも多い。良い意味で裏切られた表情や仕草をしてくれた時、「この先、彼女はどんな表情を見せてくれるのだろう?」というワクワク感はたまらない。
 
ボクの写真の感想で「綺麗」という言葉は嬉しい反面、残念に思ったりもする。「ただ綺麗なだけで、つまらない写真だ。」と、酷評されているようにも聞こえるから。「この女性は今何を考えているのだろう?」とか「もしかしてリアルに付き合っている彼女?」「なんだか別れが近づいているようで、見ていて悲しくなる」など、ボクが意図した物語と違っていたとしても、ボクの写真を見てくれた人が色々と想像したくなるような、そんな写真が撮りたいと思っている。
 
これを現実化するには、やはりフォトグラファのチカラだけでは難しいと思う。モデルが意識して演者になってくれることが必要。